なぜ、あなたのWebサイトの文字は端末によって変化するのか?
この記事のポイント
- デバイスフォントは閲覧者側の端末(デバイス)に依存するため、環境によって見た目が変わる。
- Webフォントはサーバーから読み込むため、どの端末でもデザインを統一できる。
- ブランドイメージや視認性(UX)を重視するならWebフォント、表示速度を重視するならデバイスフォントが基本。
苦労して制作したホームページやWebサイトのフォントが、自分のパソコンでは格好良く見えても、他の人のスマートフォンやタブレットで見ると、急に素っ気ない、あるいは野暮ったい印象になってしまうことはありませんか?
これは、フォントの仕組み、特に「デバイスフォント」と「Webフォント」という2つのタイプを理解していないために起こる現象です。フォントはWebサイトの印象を大きく左右する、重要なデザイン要素の一つです。
何を理解すべきか?:2種類のフォントの仕組み
Webサイトで文字を表示する仕組みは、大きく分けて2種類あります。それぞれの特性とメリット・デメリットを理解することが、フォントを使い分ける第一歩です。
1. デバイスフォント(パソコン内のフォントを使う)
デバイスフォントとは、ユーザーがWebサイトを閲覧しているパソコンやスマートフォンなどの端末(デバイス)にあらかじめインストールされているフォントのことです。
- メリット: サーバーからフォントデータを読み込む必要がないため、Webサイトの表示速度が速い。
- デメリット: 端末にそのフォントが入っていない場合、ブラウザが代わりに別のフォント(代替フォント)で表示するため、見た目が崩れる。
- ✅ 身近な例: 「手紙を出すときに、相手の家にあるペンで書く」ようなものです。どんなペンを持っているか(フォントがインストールされているか)は相手次第なので、仕上がりが予測できません。
2. Webフォント(サーバーからフォントを読み込む)
Webフォントとは、フォントファイルをWebサイトのサーバーに置き、ユーザーがアクセスした際にサーバーからフォントデータをダウンロードして表示させる仕組みです。
- メリット: どの端末・OS環境であっても、デザイナーが意図した通りのフォントで表示され、デザインの統一性が保たれる。
- デメリット: フォントファイルをダウンロードする時間が必要なため、表示速度がデバイスフォントより遅くなる可能性がある。
- ✅ 身近な例: 「あなたが持参した特別な筆ペンで、相手の家で手紙を書く」ようなものです。どの家でも同じ筆跡(フォント)で統一できます。
どう使い分けるか?:目的と地域性を考慮したプロの選択
Webサイトの目的に合わせてフォントを使い分けることが、プロフェッショナルなデザインの基本です。どちらか一方を選ぶのではなく、両者のメリットを活かした使い分けが、UX(ユーザー体験)の向上につながります。
1. ブランドイメージ統一が必要な事例(Webフォントの適用)
企業や店舗の顔となる部分、特にロゴや見出し(h2, h3など)は、Webフォントを使って統一感を出すべきです。
- 事例: 長野県東御市で、伝統工芸品を扱うブランドのWebサイトを作る場合。
- 目的: 高級感と和の雰囲気を重視した、特定の明朝体を使用したい。
- 選択: Webフォントで、本文はデバイスフォントで軽快に、ロゴや見出しのみにWebフォントを適用し、表示速度とデザインを両立させます。
- 事例: 群馬県前橋市のスタイリッシュなITベンチャー企業のホームページ。
- 目的: シャープでモダンな角ゴシック体で、先進的なイメージを演出したい。
- 選択: 重要なキャッチコピーや、会社概要の主要項目にWebフォントを使用し、ブランドの個性を際立たせます。
2. アクセシビリティと速度が最優先の事例(デバイスフォントの推奨)
大量の情報を扱うWebサイトや、幅広いユーザー層に素早く情報を届けたい場合は、デバイスフォントを優先します。
- 事例: 長野県上田市の行政や、小諸市の総合病院のWebサイト。
- 目的: 緊急情報や、誰にでも見やすく、素早くコンテンツを届けたい(UX)。
- 選択: どの端末にも標準搭載されているデバイスフォント(例:メイリオ、ヒラギノ角ゴ)を指定します。これにより、デザインの派手さよりも、読みやすさと速度を優先します。
長野・群馬の制作会社比較サイトが教えるプロの視点
Webフォントは有料サービスが多いですが、無料のGoogle Fonts(グーグル・フォント)も充実しています。プロは、表示速度の低下というデメリットを最小限にするため、以下の工夫をしています。
- 部分適用: Webフォントをサイト全体の文字に適用せず、「太字のh1見出しだけ」など、最小限に留める。
- フォントの軽量化: 必要な文字だけを抽出してフォントファイルを軽くする「サブセット化」を施す。
✅ 独自のアドバイス: 例えば、群馬県高崎市の製造業者が採用サイトを作る際、「真面目さ」を表現するために明朝体を使いたいなら、Webフォントを導入する前に、WordPressなどのサーバー設定でキャッシュを適切に活用し、速度低下対策を施すことを制作会社に確認しましょう。
まとめ:フォントは「誰に何を伝えるか」で選ぶ
Webフォントとデバイスフォントの違いは、「どこからフォントを読み込むか」に尽きます。ブランドの個性を厳密に守りたい、デザインの統一性を最重要視するならWebフォント。ユーザーのUX(表示速度、アクセシビリティ)を優先するなら、適切な代替指定を施したデバイスフォントを活用しましょう。この使い分けこそが、プロのWebサイト制作における重要なポイントです。
よくある質問(Q&A)
Q1. Webフォントを使用すると、WebサイトのSEOに悪影響がありますか?
A. 基本的にはありません。GoogleはWebフォントの利用を推奨していますが、Webフォントによる表示速度の低下があまりに大きいと、ユーザー体験が損なわれ、間接的にSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。軽量化やキャッシュ設定など、適切な技術対策を講じれば問題ありません。
Q2. Webフォントと、画像化された文字(テキスト画像)はどちらを使うべきですか?
A. 特殊な装飾が必要なロゴ以外は、Webフォントを強く推奨します。テキスト画像は、ユーザーが文字を選択・コピーできず、検索エンジン(Googleなど)も文字として認識できないため、コンテンツの価値が伝わりにくくなります。Webフォントは文字情報として扱われるため、SEOやアクセシビリティの面で圧倒的に有利です。
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